はじめに
別のプロジェクトも行い、調査を帰国2週間前の休みで行うと決め、休みにしなかった私は自分のクビを絞めるのが好き(つまりどM)みたいです。
調査って身体的にも精神的にも簡単ではありません。
身体的には蚊と狭いところでじっとしておかなかったり…
精神的には生理前の不安定な時期にヘビーな話を聞いてしまうという行為。
即ち、情緒不安定が加速してしまうんです。

あ、もちろん寝る前などのプライベートタイムですよ。
(調査の分析などには感情は挟めません。ただでさえ進むの遅いのにさらに遅くなってまう…)
ニュートラルな部分と感情的な部分はしっかり分けつつも、感情的な部分もちゃんと大事にしていきたいと調査の分析を行っていると思ってしまいます。
今回の忘備録は分析後のブログに書けそうなファクターと個人的な感想を記録として書いておこうと思います
サービス毎の提供価格提供からみえる、性への知識と性病への危機意識
セックスワーカーの提供価格や価格付けの仕方を見ると、性への知識が伺えました。
性病のリスクがあるサービスは提供していない、若しくは、価格が高くなっています。
また、行為中に、コンドームが破れてしまった場合に病院に行くなどの発言がインタビュー中でみられ、性病に対する危機意識も伺えました。
ただ、中には危機意識はあるものの、HIVの感染の可能性への恐怖からHIV検査を行っていないというセックスワーカーが数名いました。
前記事にも書きましたが、コンドームは携帯しています。(前記事こちら)
彼女たちは病気に対しては無知ではありません。

もしかしたら、サービスの価格をみると日本の方が性病へ危機意識は低いのかもしれません。
インタビュー中の発言で断れなかったり、断る間も無く行為に及ばれてしまったなどの発言も見られました。
客である男性側の振る舞いが提供されるコンドームを使うかどうかのカギの様です。
身体的リスクを冒しても必要なお金
年齢、配偶者の数、職業などからセックスワークの選択の開始が必要に駆られている女性が多いのが伺えます。
快楽を求めてセックスワークを選択している女性以外に関してはする必要が無ければしたくないというのが本音の様でした。

昼のお金よりもお金は簡単に手に入りますが、リスクが何よりも大きいという事。
そして、年齢が上になればなるほど、顧客獲得の難しさ、即ち、不定期になってしまう収入に関して不安や不満を表すセックスワーカーも少なくありません。
(これに関しては日本でもそんな証言をしてらっしゃるドキュメンタリーを拝見したことがあり、世界のセックスワーカーの課題なのかなぁと…)
【番外・忘備録】社会を構成する人間は複雑―私の感情のお話
この調査と離れた時に、状況を自分の感情と共に考えると色々な感情がごちゃ混ぜになってしまいます。
セックス自体の行為は動物として種を残す事+快楽が伴うという点。
感情を抜くとシンプルにはこの二つがセックスであるという事だけ。

しかし感情を入れると人によってセックスへは感情と考え方が伴います。
愛と答える人も居れば、お金の人も居るし、快楽や義務など色々な答えが出てくると思います。
愛や嫌悪感等の感情が伴うセックスを、複雑なトピックで難しいと思わずにはいられません。
そんな中、彼女たちの発言を聞くと
セックスはお金であると答え、同時に誰にも話せないという羞恥心や劣等感、罪悪感などを抱いています。
セックスって人類が滅亡しない限り、絶対無くならない。(無くなったら即ち、テクノロジーが凄くない限りは人類滅亡。)
お金で快楽を買いたいという人類も滅亡しない限り、性産業も無くならない。

人間が構成するコミュニティという名の団体は彼女たちたちの行為を良いとはみなさないかもしれません。
消費者の立場になってもネガティブな感情の存在は無視できません。
それに対ししてですが、私は彼女たちの行為は卑劣だとは更々思いません。
ひとつの私の中での結論は“社会”という一つのコミュニティは、お金を稼ぐという行為をカテゴライズして、複雑にしているなぁと。
例えば、極端な話、経営者という肩書に対して社会は称賛し、セックスワーカーは称えられるものではなく社会が毛嫌いする、と
お金はお金であり、セックスはセックスである。
綺麗も汚いも存在しないはずのものに、私たちが勝手に感情を挟みこんでいるという事。
どちらも、目的のために手段を択んでいないだけなのに。
手段に対して賛否両論が発生する。
目的のために手段を択ばず、リスクを冒しても配偶者を養う覚悟や彼女たちの姿は素敵だと私は思ってしまいます。
共有してくれた話の中には、感情的にならずにはいられない困難な人生を歩んできている女性も少なくはありません。
私は逃げてばかりの人生なので。(笑)彼女の達の逃げない向き合う姿勢は本当に美しく、強くてたくましいなと思います。

社会が複雑だと思ってしまうのはこんな感情を抱く私を含め、人間はシンプルに成れない複雑な生き物だと感じてしまいます。
数字と結果で一般化するのが今回の調査の目的ですが、彼女たちは数字でなく一人ひとりの人間であり、各々の人生を歩んできているという事は絶対に忘れたくないと思います。

※数字など、コアな情報は協働で行っている先生と話し、ブログにはアップロードしない事に決めました。
もし気になる方がいらっしゃれば直接コンタクトいただければと思います。※
コメントを残す